先日、テレビ東京の「ガイアの夜明け」を見ているとラーメンの1000円の壁に挑戦する男たち、という特集をやっていました。
その人はアメリカのニューヨークでもラーメン店を出店していて、アメリカ人はラーメンに2500円も払うのに日本人は1000円のラーメンさえ受け入れない、とても悔しいなんて言っていました。
私自身は1000円を超えるラーメンなんて一生食べないと思うので、その人の発言にすごく違和感を覚えました。
その時、ふと頭をよぎるものがありました。
「これって日本にインフレを起こそうとしている安倍政権の謀略ではないか?」と。
デフレにイライラする人たち
ラーメンに限ったことではないですが、デフレ傾向が一向に終わらないことにイライラしてこれは日本人がケチだから一向に解決しないと日本人を責める論調が出てきています。
お前らが安いものばかり食べてるから、一向にモノの値段が上がらないし、結局お前らの給料が上がらないんだぞと言う人がやたらとテレビに出てきます。
その代表が日銀の黒田総裁です。
2%のインフレ率が達成できないのは自分たちのせいではない、デフレマインドのせいだと。
要するに日本人はケチだと責めているわけですね。
マスコミがそんな論調を流しても、日本人の方は案外冷静で1000円を超えるラーメンなんて高すぎて食べないという人がアンケートでは7割を超えているそうです。
現代はツイッターやFacebookなどで一般人が自分の意見をどんどん発信できる時代ですから、テレビや新聞などの旧メディアの情報操作にはあまり左右されない時代なのかもしれません。
博多ラーメンの圧倒的コスパ
ラーメンの話に戻しますと、日本で1000円を超えるラーメンがポピュラーになるなんて、明らかに無理だと断言できます。
海外で日本のラーメンが高くできるのは、結局大した競争が起きてないからです。
日本一いや、世界一ラーメン店の競争が激しい、福岡の博多ではラーメン一杯の値段は500円が相場です。
中には200円から300円のラーメンを提供して、内容的にもそこそこボリュームがある店まであります。
博多には、ラーメンのおかわりとして、替え玉という麺を追加するシステムがあるんですが、相場は50円程度という安さです。
中には替え玉10円という店もあるらしく、博多に行くと感覚がおかしくなるかもしれません(笑)。
安倍政権から見たら、博多のラーメン店の競争はデフレを促進する憎むべき存在かもしれません。
しかし、これは、ラーメンという国民食を通して切磋琢磨した結果であり、むしろこのラーメン文化を世界に発信していくべきです。
日本で外食が安いのは理由がある
博多ラーメンを例に説明してみましたが、日本の外食が海外と比べて割安なのは事実です。
海外と比較して日本はファミレスなどのチェーン店が充実していて、消費者の選択肢の幅が広いのです。
その分、外食産業が成熟していて、競争が激しいことが価格が安くなる主因だと考えられます。
消費者のニーズにこたえて、日本企業が資本主義経済の中で外食産業を成熟させていった結果、海外に比べて割安になったのですから、むしろ誇りに思うべきでしょう。
外食以外の産業だと、意外に日本は諸外国に比べて割高なものもあります。
例えば、日本の映画チケットは1900円。アメリカの3倍、イギリスの2倍になります。
外食をことさら取り上げて、日本人はデフレマインドだと叩く輩は、日本政府の回し者かもしれませんよ。
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