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入場者数が低迷していたサンリオピューランドがここ数年でV字回復していると話題になっています。
過去のキティちゃんブームの時はそれなりに入場者数は多かったものの、やはりブームだけでは長続きしないのは当然でしょう。
V字回復の理由を探ると、やっぱり老舗でも努力を怠ってはいけないんだなということが教訓として勉強になります。
そう言えば、最近(ここ2,3年前?)になってキティちゃんなどのサンリオのキャラをよくテレビで見るなあと思っていたんです。
キティちゃんやマイメロちゃんのキャラは良く知らなかったのですが、見かけによらず意外にお喋りで、たまに毒舌を言ったりするのを見て、ちょっと意外な印象を受けました。
「キティちゃんやマイメロちゃんがこんなこと言うんだ」という意外性を演出するのが、サンリオの狙いだったのです。
サンリオが低迷した理由
サンリオは「kawaii」というワードを世界共通語にした日本発のスーパーキャラクター、キティちゃんの会社です。
1990年代の「キティラー」ブームの火付け役となったのが、華原朋美でした。
海外でもキティちゃんは大人気で、レディーガガやマライアキャリーなどアメリカの超有名人もキティグッズを愛用していました。
普通なら、サンリオは大喜びでキティちゃんの人気ぶりをアピールするところですが
サンリオの経営陣は有名人効果のブームは反動が大きくなるからと、あまり喜んでいなかったそうです。
ここでディズニーのような計算され尽くしてきたマーケティングをしていれば、それほどの人気低迷はなかったのではないでしょうか。
ここに来ての方針転換は、サンリオの保守的な部分がようやく弱まって、若い社員の考え方が浸透してきたということだと思います。
20~40代の女性を取り込む
キティちゃんなどのサンリオのキャラクターのイメージは、基本的に小さな女の子向けになります。
幼い子供に人気が出ると、一時的にはすごいブームになりますが、やっぱり子供というのは飽きるのが早いですからね。
国民的人気歌手だったピンクレディーも飽きられた後は、シングルがウン千枚単位でしか売れなくなってしまいました。
当然ながら、サンリオピューロランドの10代後半から20代、30代の女性は来場者は少なかったのです。
日本で一番お金を使ってくれるのは20代から30代の女性ですから、この女性に訴えかけないとほとんどのビジネスは成功しません。
キティちゃんは世界中にその顔が浸透しているシンボルみたいな存在ですが、そのキャラクターはと聞かれるとよく分からないという人が多いんじゃないでしょうか。
どちらかというと大人しくてキャラの乏しいサンリオのキャラクターを強烈に印象付けたいということだったのでしょう。
最近では、20代から40代までの女性はイケメンアニメにはまって、疑似恋愛をして楽しんでいます。
この人達は、素材さえあれば、自己完結的なストーリーをどんどん作っていく傾向があるので、サンリオ広報部はその辺の分析をしたのだと思います。
SNSの噂口コミ戦略
サンリオの意思決定で若い人の意見が反映されるようになれば、SNSを重視するようになるのはごく自然なことです。
若い女性はとにかくSNSが大好きです。
電車の中でもTwitterやInstagramをずっといじってますからね。
ピューロランドのキャラクターに関する性格の噂がSNSに流れれば、女性たちは面白がって、それをどんどん拡散するでしょう。
仕上げは「噂が本当かどうか、ピューロランドに行って確かめよう」というキャッチフレーズです。
女性の傾向を計算し尽くした見事な戦略だと思います。
仕事を選ばないと言われるほどのコラボ戦略
ハローキティと言えば、世界中に浸透しているブランドで、エイチアンドエムやZARA、アナスイやマックともコラボしています。
そんな世界の大企業にも採用されるほどの知名度とブランドがあるのに、味噌のメーカーや宮崎牛みたいな、ちょっとまいなー系な会社ともコラボしているんです。
そのせいか、仕事を選ばないハローキティ(悪口)と言われたりします。
サンリオの社長は、人気のない商品でもどんどんキティちゃんがコラボしてヒットさせてあげたい、という説明をしていました。
コラボを増やして、ビジネスに走ったとしても、あのハローキティーの無表情はかなりアドバンテージだと思います。
何しろ、欲望とかお金に一番縁遠い顔をしていますから。
現在、ハローキティーはサンリオキャラでは子供達の一番人気ではありません。
しかし、昭和の時代を思い起こさせるノスタルジーさと相まって大人達には絶大な信頼感があると思います。
コメント
業績急回復の秘密とその立役者の人物像に興味がありました。
「団塊世代の我楽多(がらくた)帳」(https:skawa68.com)というブログの
2019/9/19付けで「サンリオピューロランド」の記事投稿
しています。つたない記事ですが、もし、ご参考にしていただければ幸いです。