エスカレーター歩行禁止の奇妙な理由 片側空けルールはどうなる? ガラパゴス日本加速中 | ボーダーレスネット世界トラベラー

エスカレーター歩行禁止の奇妙な理由 片側空けルールはどうなる? ガラパゴス日本加速中

 

最近になってエスカレーターで歩くのは危険だ、他の人を危険にさらすマナー違反の行為であるという理屈がマスコミなどで盛んに言われるようになっています。

 

世界の中でもお行儀の良い国民と言われる日本人の心をくすぐるのか、この理屈に乗ってエスカレーターで歩く人間を盛んに攻撃する人々がネット上でも増えてきているようです。

 

しかし、私はこのエスカレーター歩行論争の中に日本人のガラパゴス的発想が潜んでいると考えたため、今回記事に書いてみることにしました。

 

エスカレーターでの歩行で危険に晒されるのは誰?

 

エスカレーターを歩行禁止にすべきという人達が一番よく言っているのが、エスカレーターで歩くと転落の危険であると言う理由です。

これは駅に貼られている「エスカレーターの歩行は危ない」と啓蒙するポスターです。

「エスカレーターで歩くと、つまづいたり、ぶつかったり、思いがけない事故のきっかけとなります」

と書かれています。

エスカレーターで歩いている人間が止まっている人間にぶつかって事故が頻発している、という内容ですが、事実は全く違います。

エスカレーターの歩行で起きる事故というのは、その大半が歩いている人自身が一人でつまづいたり転んだりして起きた事故なのです。

 

日本は酔っ払いに甘い国ですから、夜中になると足取りのおぼつかない人間が街中を堂々と徘徊しています。

さらに、そういう連中が千鳥足でエスカレーターを歩行して転倒すれば、エスカレーター歩行の危険な事例としてカウントされるでしょう。

自業自得で自分を危険な状態にしてケガした人間の行為を、なぜ普通の状態でエスカレーターを歩いている人間が責任を負わなくてはいけないのか?

まったく意味がわかりません。

 

酔っ払いや足腰の弱った老人が自分で転ぶのと、エスカレーターで歩いた人間が他の人間にぶつかって怪我をさせる事故が同じ性質であるはずがありません。

 

例えばエレベーターで歩行をした人が止まっている人に怪我をさせて訴えられた例はあるのか?

エスカレーターの歩行を原因とした事故で、エスカレーター製造会社が訴えられた事例はあるのか?

 

ネット上ではそのような情報はないし、それが社会問題化しているとは思えません。

 

エスカレーターで歩行した人間が止まっている人間を押しのけたり、突き飛ばしたりして起きた事故が日常茶飯事のように起きているかのようにミスリードしているのは、わざとなのか、それとも区別ができていないのか。

 

また、エスカレーターと普通の階段を比較した場合、安全性という点ではエスカレーターの圧勝でしょう。

エスカレーターの場合、体調が万全でなくて自信がない人は「止まって乗る」という選択肢がありますが、階段の場合はよろめきながらも自分の足を使って移動するしかないからです。

 

そもそもエスカレーターで一番危険なのは、始点と終点のタラップの部分です。

酔っ払いや足腰が非常に弱った老人などには、たしかにハードルが高い部分でしょう。

身体的能力が著しく制限された状態では、自動車の運転と同様にエスカレーターは利用しない方がいいのです。

体が不自由な人が利用しない方がいいモノは世の中にたくさんありますよね。

別にエスカレーターだけ特別視する必要はどこにもないはずです。

 

個人的な感想を言えば、エスカレーターなんかより電車の中で歩く方がよっぽど危険ですね。

電車内の通路は歩行を前提とした設計になんてなってませんよね。

大揺れしている中でも、座席の取っ手につかまり立ちして、他の乗客にも迷惑をかけながらも何とか移動してる訳です。

 

自宅の部屋よりも動いている乗り物の中を移動するのが危険なのは百も承知。

それが文明の利器を利用するということなんです。

 

おそらく今後もエスカレーターの業界団体や鉄道会社は、エスカレーターの歩行者自体が危険な存在だという科学的データを出すことはできないでしょう。

 

理由にもならない理由で、中途半端な片側空けがマナー違反というメッセージを繰り返せば、鉄道会社のお墨付きを得て、エスカレーターの片側を塞ぐ連中が多発して、トラブルを引き起こすこと可能性があります。

 

 

 

エスカレーター片側空けは国際マナーとして定着しているという事実

 

エスカレーターでの歩行をマナー違反だという人がいます。

しかし、現実には世界の先進国の大半のエスカレーターが片側空け、歩行する人のために片側を空けているのです。

 

つまり、国際的マナーの見地からみて、

エスカレーターの片側の通路を塞いで歩けないようにすることがマナー違反

ということになります。

 

ただし、エスカレーターで立ち止まるのが普通という国もたしかに存在します。

それはインドやフィリピンなどのエスカレーターが普及していない発展途上国です。

元々は、日本も1960年代初めまでは、エスカレーターには立ち止まって乗るのが普通だったのです。

しかし、1964年の東京オリンピックを契機に、海外の先進国を見習ってエスカレーターの片側を空けることを政府が国民に呼びかけました

それ以来、今日の日本の片側空けルールが作られたのです。

つまり、エスカレーターの片側空けは、その国がエスカレーターを象徴とする科学技術がある程度浸透して、「止まりたい人は止まる。歩きたい人は歩く」という、個人の意見や行動が尊重される民主主義の成熟が反映したもの、ということになります。

 

そもそもマナーというのは社会生活を円滑にするために存在する暗黙のルールのようなものでしょう。

すでに日本社会でも定着しているエレベーターの片側開けルールを妨害して通路を塞ぐ。こちらのほうがよっぽどマナー違反ですよ。

 

欧米人の言う事など聞くに値しない、日本には、日本式のやり方があると息巻く人々も結構目につきます。

これについても、国益の見地から日本は先進国もスタイルになるべく合わせることが望ましいはずです。

かたくなに捕鯨を続ける日本のガラパゴスな感性がエスカレーターの歩行論争にも出ているとしたら、残念なことだと考えます。

 

歩くことを前提にしていないという言い分

 

歩行禁止を盛んに言う人達の言い分で、エスカレーターは歩行を前提に作られていないから、エスカレーターの会社がそう言ってるのだから従うべき、というのがあります。

 

エスカレーターの業界団体は、日本エレベーター協会というところで、エスカレーターの安全基準は立ち止まって利用することを前提にしていますとホームページに記載しています。

 

ただし、エスカレーターで歩くことが何らかの危険を引き起こすということを裏付けるデータは一切掲載されておらず、ただ前提にしているという一文が載っているだけです。

 

エスカレーター会社は確かに、製造物責任法を負っているので、その製品の誤った使い方をしないよう注意を促すのは当然のことです。

だからと言って、何の合理性もないことを利用者に押し付けるのはおかしなことです。

業界団体がそう言ってるから盲目的に従えと言うのはおかしな話ですよね。

列車の通路は歩く目的のための整備はまったくされていませんが、誰もが自己責任で歩いていますよ。

 

エスカレーターでの歩行が危険であるという科学的データは何も存在しないのに、権威を持つ側の虎の威を借りて騒ぎ立てる。

 

これでは民主主義国家の住人というよりも、どこかの独裁者の国そっくりだと思いますね。

 

エスカレーター文化が成熟した先進国では、どこでも片側を空けて歩きたい人は歩いている。

 

この事実の方がよっぽど科学的データだと言えるんじゃないですか。

 

 

エスカレーターの歩行禁止も利権ネタ?

 

ごく最近までエスカレーターでの歩行については何も言ってなかったのに、ここに来てなぜ騒ぎ出したのか非常に不自然なものを感じます。

例のごとく役人が利権ネタとして目をつけたのではないかという疑惑を持っています。

別に社会問題かもしれないし、訴訟連発のような事態にもなっていないのにさも重大な問題かのように取り上げて事件ネタにするのは官僚の常套手段です。

2017年には、国土交通省が「エスカレーターの転落防止対策に関するガイドライン」を策定。

 

大体、鉄道会社が駅の利用者の安全を重視してエスカレーターの歩行禁止を言うなら、その前にまず人権侵害レベルの満員電車を解消するために具体的なことをやったらどうですか?と言いたいですね。

 

今の日本の鉄道会社が利用者の安全を重視してるなんて言われても、全く説得力ないですよ。

 

 

エスカレーターぐらいしか独自性アピールできないの?

 

欧米諸国がエスカレーターで歩いていようが、日本は歩かないことを美徳として、日本発モデルとして輸出すればいいなんて意見もあるようですが

そんなガラパゴス発想をわめいたところで、また一歩世界から取り残されるだけだと思いますね。

 

世界標準なんか関係ないエスカレーターで歩くのは間違っているとあくまで主張するなら、仕方がないです。

堂々と法律を国会で通して禁止すればいいんですよ。

マナーでもないものを無理やりマナーだと言って宙ぶらりん状態にして、エスカレーター利用者の間で混乱を引き起こして、怪我人が出るよりはそちらのほうが方がよっぽどマシです。

 

ただ、今の日本人がエスカレーター歩行禁止とか捕鯨強行のように、国際常識から逸脱することで、失いつつある自分たちの自尊心を取り戻そうとしているなら、さらにどんどんガラパゴス化していくとしたら、とても残念に感じます。

 

IWC脱退のデメリット 国益よりメンツと天下り利権優先の捕鯨行政
日本政府がIWCから脱退して商業捕鯨を再開する方針を示しました。 反捕鯨国の言い分が理不尽だと以前から憤っていた人達は、今回の脱退を潔い行為だと喜んでいるようです。 また、沿岸捕鯨をしてきた和歌山県の太地町や山口県の下関...

 

 

 

 

コメント